JAXAと日立が宇宙で固体リチウムイオン電池をテストする

JAXAと日立が宇宙で固体リチウムイオン電池をテストする

宇宙航空研究開発機構JAXAと日立造船株式会社-宇宙で全固体リチウムイオン電池をテストした世界初。電池の実用化に関する共同研究について合意しました。

JAXAは、宇宙航空研究開発機構の公開研究提案の一環として、2016年から共同で固体リチウムイオン電池を開発しています。オールソリッドステートのリチウムイオン電池は、次世代電池の人気として注目されており、さまざまなデバイスへの搭載が期待されています。

通常、リチウムイオン電池は、液体を使用し、使用温度範囲が狭いため、温度と真空の差が大きい過酷な空間条件では使用が困難です。たとえば、機器の内部に設置され、温度制御に使用されます。

そのため、高温・低温などの真空・過酷な環境下でも使用できる全固体リチウムイオン電池の実現を目指し、共同で試作開発を行いました。双方は、実空間条件でプロトタイプバッテリーを評価および検証するために、軌道上での実証実験を実施します。

将来的には、全固体電池の宇宙実証に必要な機器の開発や検証試験を行う予定です。 2021年秋以降にISSで打ち上げ、約半年間実証実験を行う予定です。

全固体リチウムイオン電池では、温度制御が不要で、宇宙で使用する機器のサイズと重量を削減し、エネルギー消費を削減できます。さらに、より厳しい温度条件を示す月や火星の宇宙船や、月面で移動して動作するローバーや観測機器での使用が期待できます。

2016年に日立造船が開発した電池をベースに、JAXAと日立造船が共同開発した全固体リチウムイオン電池を使用します。

サイズ:65mm x 52mm x 2.7mm

重量:25g

容量:140mAh(15個のセルが並列に接続されて約2.1Ahの電力を供給します)

固体電解質を使用しているため、低温でも固化せず、高温でも分解しないため、周囲温度-40℃〜120℃でも安定した運転が可能です。

液体材料を使用していないため、液体の漏れがなく、固体電解質は耐火性であるため、火災、煙、爆発の危険がありません。

揮発性成分を最小限に抑えた電池構成を実現し、真空中でもほとんど膨張しません。